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2014-10-28

50歳以上の約3割が筋力低下に悩んでいる

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中高年でサルコペニア(筋肉減少症)にかかっている人は予想以上に多いが、特別な栄養と運動で加齢による筋量と筋力の低下は抑えることができるかもしれない、という米国アボット・ニュートリションによる研究結果が『年齢と加齢』誌に発表された。

人口の高齢化に伴い、退職後の健康維持はますます重要な課題となってきている。現代の高齢者は、一昔前に比べて5-10歳も若いとはよく言われることだが、肉体の衰えは必ずしもそうではないようだ。

研究チームは、2000年から2013年に発表された、50歳以上を対象とするサルコペニアの実態とその予防に関する研究を文献データベースから検索・抽出して解析した。その結果、健康な一般集団でも、文献ごとのバラつきはあるが最大29%の人々がサルコペニアに悩まされている可能性のあることが明らかになったという。

とはいえ、今回の調査では、重量挙げなどの筋肉トレーニング(抵抗運動)を増やし、プロテイン(たんぱく質)やHMB(※註)、必須アミノ酸といった筋肉維持に必要な栄養素を充分に補給することで、筋肉の量、機能、強度は改善することが可能かもしれないことも明らかにされている。

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「サルコペニアは介護施設や自宅で寝たきりの老人だけがなるものだと信じている人が多いようですが、今回の調査でそれは単純に誤りであることがわかりました」とアボット・ニュートリションのロバート・ミラー博士は語っている。普通の人でも加齢とともに筋肉が減少していくことが頻繁にみられるという。「この発見は、筋肉を維持するために適切な栄養素を充分に摂取することの大切さを物語っています。」

筋量と筋力の維持は、サルコペニアのリスクを減らす上でもきわめて重要であるという。人は40代以降、およそ10年ごとに筋肉量が8%ずつ低下していく。さらに70代になればその速度は15%に倍増する。筋量の低下がひどくなれば、立ち上がって歩いたり(脚力)、手すりを握ったり買い物袋を下げたり(握力)、といった、日常のなにげない動作すら満足に行えなくなる可能性がある。

そのためサルコペニアのリスクがある中高年者は、筋肉の減少を抑えるために充分な量のたんぱく質(あるいはたんぱく質を構成するアミノ酸)を摂取することが重要である。最近では多くの学会や行政機関が、若者以上に高齢者のたんぱく質摂取を増やすことを奨励している。

歳を重ねるにつれて、人は味覚や食欲が衰えて食べる量が減り、ある種の食品を身体が受け付けなくなったりすることも多い。そのため偏った食生活になりがちであり、的確な食品選択をしないで放置すると栄養欠乏状態に陥ることになる。そうならないためには、きちんと必要な栄養を摂取するための食事プランが必要であり、サプリメントなどを上手に使うことも有効であると思われる。

1414131234 歳を取っても健康な筋肉を維持するために、研究チームでは以下の3項目を推奨している。

●筋量を維持し筋力と筋機能の低下を防止するために、日々のHMB、たんぱく質、必須アミノ酸摂取量を増やすこと。

●筋肉の機能を高めるために日々の運動メニューの中に筋肉トレーニングなどの抵抗運動を取り入れること。

●サルコペニアの早期発見に努めること。かかりつけの医師に筋肉を健康に保つ方法やサルコペニアの予防法を聞くとともに、気になる症状があれば早めに診察を受けるのが良い。

※註:HMBとは、3-ヒドロキシイソ吉草酸の略称で、筋肉中で必須アミノ酸のひとつであるロイシンが代謝されて自然に生成する分子のこと。アヴォカド、グレープフルーツなどに含まれるが、海外ではボディビル用のサプリメントとしても販売されている。

出典は『年齢と加齢』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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