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2015-01-15

私達の食生活が人類も環境も悪化させる

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現代人の不健康な食生活は、肥満や生活習慣病の蔓延だけでなく、地球温暖化の一因でもある、という米国カリフォルニア大学の研究が『ネイチャー』誌に発表された。

カリフォルニア大学サンタバーバラ校のデビッド・ティルマン教授らは、この論文の中で、世界規模で起きている人口の都市化と富裕化が、グローバルな食環境をヒトにも地球にも優しくないものに変化させていると主張している。

教授らは、農牧業・水産業の発展が環境に与える影響を文献で調べると共に、世界100カ国から50年間にわたるデータを集めて今後の食糧動向を予測した。また食と健康に関する8つの大規模疫学研究のデータを解析して2型糖尿病、がん、冠動脈疾患の罹患率と死亡率に及ぼす食事変化の影響を定量化した。そして最後にこれらのデータを統合して、現在の食生活のままで人口が増加を続けた場合と、それを健康に良い食生活に変えた場合に慢性疾患をどれだけ減らせるかを計算した。

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本研究は、食と地球と人間の矛盾した関係に世界規模で焦点を当てた初めてのものである。

「これまでの研究は、主として国単位で食事の効果が調べられていました。私たちの研究は、人類の健康と環境の双方にもたらす全地球規模のインパクトについて調べた初めての研究です」と教授は語っている。「私たちは総人口の90%をカバーする規模のデータによって世界的な食の傾向や環境への影響を解析しました。これらのデータは食と健康と環境がどのように変化してきたか、今後どう変わるかを示してくれたのです。」

「私たちの発見のいくつかは特に目新しいものではありませんでしたが、その環境影響には目を見張るものがありました」と教授は言う。「食事には良い食事と悪い食事があるといわれていますが、私たちが驚いたのは、きわめて迅速に世界中の食事が変化しており、健康を悪化させただけでなく、それが原因で大規模な熱帯雨林の破壊が起こり、地球温暖化が促進されているという事実です。」

都市化、富の蓄積、不健康な食生活の関連は明らか、と教授は説明する。現在ではどこの国でも工業化の波が押し寄せると、田舎の伝統的な食事から、加工食品やただカロリーが高いだけの食品に満ちた都会的な食事への変化が起こる。人口は都市に集中し、野菜や果物を育てていた菜園は打ち捨てられていく。彼らは工場で1日12時間週7日間働いてくたくたになるため、チープでイージーな食事で済ませようとする。最もチープでイージーな食事には、糖分と脂肪と塩分が詰まっている。ほとんど一夜にして彼らの食事は健康的なものから糖尿病と心臓病へまっしぐらのカロリー過剰なものとなる。

1421301247 以前より収入は増えるので、より多くの肉を食べるようになる結果、2050年には家畜用の穀物飼料が現在の2倍必要になると推定される。そのため耕作地の拡大が必要なのは明らかであり、代償として野生生物の生息地は減少することになる。多くの生物種が絶滅するだろう。また収穫量を高めるために農薬の使用量も増加し、河川、湖沼、地下水、海洋を汚染することになるだろう。

ティルマン教授らは、これを防止するための方法についても提案している。もし教授らの言う健康に良い食事が広く受け入れられれば、温室効果を持つガスの排出量も減り、環境汚染も低下し、生物の絶滅も止み、なにより食事がその大きな原因となる生活習慣病を低下させることができるだろうという。

例えば、米国の典型的な食生活に比べて、健康に良いと言われている地中海型食、魚菜食主義食(動物性たんぱく質を魚介類からしか摂らない)、菜食主義食などに変えることで、2型糖尿病のリスクが16-41%、がんのリスクが7-13%、冠動脈疾患による死亡リスクが20-26%低下することが報告されている。それだけでなく、これらの食事は環境にも優しく、食品生産による温室効果ガスの排出量を40%近く低下できる。

動物性食品が温室効果に与える影響はよく知られており、牛肉とラムのたんぱく質1グラムあたりの温室効果は、豆類の250倍といわれている。また捕獲網による漁業は伝統的な漁業に比べて温室効果が3倍高い。穀類の中では、米は温室効果が小麦の5倍高い。

「人類の歴史上、美味しいことはいつも身体によいことと同義でした。ところが現代は安価な加工食品があふれています。それらは砂糖と脂肪と塩分が多く含まれて確かに美味しくはあるものの身体には良くないのです」とティルマン教授は語っている。「みんなの食生活が簡単に変わるとは思いませんが、この論文が認められてしだいに変化して行くことを期待しています。」

出典は『ネイチャー』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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