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公開日:2013-03-27

ビタミンDが免疫細胞を活性化させる

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ビタミンDには、免疫細胞を活性化させて様々な病気のリスクを下げる働きがあるようだ。米国ボストン大学の研究チームは、ビタミンDの摂取が免疫細胞の遺伝子発現を活発にすると『科学公共図書館報:ワン』に発表した。

1366877682 ビタミンDは、食べ物から摂取されるだけでなく、日光を浴びることで合成もされる特殊な栄養素である。ビタミンDが不足すると、骨や筋肉の病気になりやすいことはよく知られているが、最近の研究により、がんや循環器系疾患、糖尿病、感染症、自己免疫疾患などの様々な病気のリスクも高まることが報告されている。

今回、ボストン大学医学部の研究者らは、ビタミンDが免疫細胞の遺伝子発現にどのような影響を与えるか検討した。

実験は、ビタミンDの血中レベルが欠乏(20 ng/ml以下)または不足(21-29 ng/ml)と診断された健康な男女8人(平均27歳)を対象に行われた。

2か月の間、8人のうち3人には、1日400IU(国際単位)のビタミンDを、残りの5人には1日2,000IUのビタミンDを摂取してもらった。実験終了時に血中ビタミンDレベルを調べたところ、ビタミンD摂取量の少ない3人は25 ng/mlでまだ不足状態だったが、摂取量の多い5人は、34 ng/mlで適正と診断された。

また、実験開始時と終了時に、各被験者から免疫細胞の白血球を採取し、22,500個以上の遺伝子発現について、ビタミンDの摂取による変化を調べた結果、ビタミンDの摂取により291の遺伝子発現が有意に変化したことが明らかになった。これらの遺伝子は、がんや自己免疫疾患、感染症、循環器系疾患の発症にも関わる160種類の代謝経路に関与するものであることが明らかになったという。

「今回、小規模な実験とはいえ、ビタミンDの血中レベルが免疫細胞の遺伝子発現に大きな影響を与えることが明らかになった。ビタミンDが、がんや循環器系疾患などの様々な病気のリスクを減らすメカニズムに洞察を与えてくれる貴重な結果だ」と研究者らはコメントしている。

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出典は『科学公共図書館報:ワン』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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