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2016-08-29

近くに生鮮食料品店がないと若年性心疾患のリスクが高まるかも

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自宅周辺に新鮮な食料品を売る店が少ないと、心疾患のリスク因子である動脈硬化の進行が速まるようだ、という米国グランドバレー州立大学の研究結果が『循環器』誌に発表された。

「健康的な食料品店の欠如が、ある地域の心疾患の罹患率が高い理由のひとつであるかもしれません」と筆頭研究者のジェフリー・ウィング助教授は語っている。「健康的な食品へのアクセスは、より健康的な食生活を促進し、その結果、冠動脈プラークの形成を抑えるというわけです。」

これまでの研究で、比較的貧しい地域において、新鮮な食料品へのアクセスが限られていることとファストフードレストランが多いことが、不健康な食生活に関連していることが明らかにされている。このような地域の住民には、早期の動脈硬化(心疾患の引き金になる)のリスクが高まることが知られていたが、その原因は明確にされていなかった。

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本研究において研究チームは、近隣のレクリエーション施設、健康的な食料品店、歩道などの整備、社交場などが限られていることが、早期の動脈硬化にどのくらい関連しているかを知るために、アテローム性動脈硬化症の多民族研究(MESA)に登録した5,950名の対象者を12年以上にわたって追跡調査した。

通常の動脈硬化(アテローム性動脈硬化)は、血管の一部にプラークが形成され、そこに血中のカルシウムが沈着して石灰化していくという経過をたどるので、カルシウムの沈着速度が動脈硬化の進行の目安になる。冠動脈へのカルシウム沈着は、CTスキャンによって測定が可能である。対象者の大部分は平均3.5年の間隔をおいて3回、冠動脈カルシウム沈着を測定した。

illust_120 データの統計解析によって、レクリエーションセンターなどの影響を除いていった結果、健康的な食料品店へのアクセスが高い中高年者ほど、冠動脈アテローム性動脈硬化症の進行がより遅くなる傾向が示唆された。

「家から1マイル(1.6km)以内にある健康的な食料品店の数だけが、冠動脈へのカルシウム沈着速度に有意に関連していた唯一の因子でした」と共同研究者でミシガン大学のエラ・オーガスト助教授は語っている。「私たちの結果は、地域に健康的な食料品店の選択肢が少ないことが健康上の潜在的な脅威かもしれないことに、もっと注意を払う必要があることを示しています。」

研究チームは、今後の研究において、健康的な食料品店を設置することの効果を検証し、近隣環境が個々人のリスク因子と遺伝的素因にどのように関わってくるのかを明らかにするべきであると述べている。

米国心臓協会では、心臓にやさしい食事として、果物、野菜、全粒穀物、豆類、低脂肪乳製品、皮なしの鶏肉や魚を豊富に摂取することを推奨している。そして、飽和脂肪とトランス脂肪、ナトリウムの少ない食品を摂って、添加糖類と赤身肉を制限するように勧めている。

出典は『循環器』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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