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2017-12-18

肥満とがんのつながりを知らない人が多い

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かなりの人々が、体重とがんの関係を理解していないようだ、という調査結果を英国・王立がん研究基金の研究チームが発表した。肥満は、乳がん、腎臓がん、大腸がん、子宮がんなど13種類のがんのリスクを高めることが知られている。けれども今回の調査では、わずか4分の1の者しか、肥満とがんの関連性を認識していなかった。

研究チームは、18歳以上の英国人を代表するように全国から3,490人を選び出し、2016年2月に調査を実施し、3,293人(94%)から回答を得た。質問は、「肥満が原因となって起こる病気を挙げなさい(複数回答可)」というものであり、がんを挙げたのは全体の25.4%に過ぎなかったという。

事実は、肥満は喫煙に次ぐ2番目に主要ながんの原因であり、全世界では約340万人がそのために亡くなっている。またイングランド人の63%、スコットランド人の67%は肥満である。

また、肥満に関連するがんの種類についての誤った認識もみられたという。大腸がんなどの消化器系のがんとの関係については知っている者が多かったが、もっとも重要な乳がんや子宮がんなど生殖器系のがんと肥満の関係に対する認識は低かった。

研究チームではまた、回答者らの社会経済状態との関連も調べており、低所得者層には肥満が多いにも関わらず、体重とがんの関連に対する認識が低いことを発見した。シミュレーションによる予測モデルでは、2035年までに、高所得者層と低所得者層の肥満傾向の格差はさらに拡大することが予測されている。

現在は、肥満問題に関連した様々な医学的取り組みがなされている。参加者のほぼ半数(48.4%)は肥満であり、また大部分の参加者(91.6%)が過去12カ月間に医療機関を受診していたにも関わらず、体重のことでアドバイスを受けた者は17.4%に過ぎなかったという。

しかも、アドバイスの種類としては、減量の方法が多く、肥満が健康にどのような広範囲の有害影響をもたらすかという情報を得た者はほとんどいなかった。

主任研究者のジョツナ・ボーラ博士は次のように語っている。「私たちが非常に気がかりなことは、大部分の国民が単純にがんと肥満の関係を知らないでいるということです。本研究では、4人に1人しか過剰な体重が発がんリスクを高めることを認識していないということが示されています。私たちは肥満とがんの関連をもっと明確に示す必要があるのです。それは、多く小児期に始まる肥満問題の解決につながる方法のひとつになることが期待できるでしょう。」

「私たちの研究ではまた、開業医の多くが肥満の患者と、体重問題についてほとんど話し合っていないことも示されています」とボーラ博士は述べている。「開業医はひとりの診察にほんのわずかしか時間をさけないことが多いので、患者の肥満に取り組むためのきっかけになるようなサポートづくりをすることが必要ではないでしょうか。」

出典は『公衆衛生雑誌』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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