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2016-11-10

健康な生活習慣が脳の機能を維持し認知症を予防する

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ハロウィーンも終わり、街はクリスマスに向けた準備が始まっているが、これからお正月にかけての時期は一年でもっとも太り易い時期でもある。肥満は、心臓マヒや脳卒中のリスクを高めるだけでなく、認知症のリスクも高めるといわれている。

p_125 でもご安心あれ。カナダ・ヨーク大学の研究チームは、野菜とフルーツの豊富な食生活と定期的な運動の組み合わせによって、認知機能の低下を抑えられるかもしれない、という研究結果を『公衆衛生雑誌』に発表した。特に30代からの健康的な生活習慣が重要そうだという。

世界中で肥満率が上昇すると共に運動をしない人も増えていることから、研究チームは、それらが認知機能の低下にどのように影響するかを調べ、生活習慣の違いが認知症の予防に役立つかどうかを明らかにしようと考えたという。けれども、若い人と高齢者を同時に対象にして、定期的な運動と野菜・フルーツの摂取が認知機能に及ぼす影響を調べた研究はこれまでわずかしか存在しなかった。

「私たちは、老後の認知機能の低下には、若い頃からの生活習慣が重要であり、それを明らかにするためには、高齢者だけでなく、若者も中年世代の者も含めて、そして実際に認知症と診断される前の種々の生活習慣を研究する必要があると考えました」と筆頭研究者のアリーナ・コーエン博士は語っている。

今回、コーエン博士ら研究チームは、2012年に始まったカナディアンコミュニティ健康調査から得た、30歳から80過ぎの高齢者までの広い世代にわたる45,522名の断面的な調査データを解析した。参加者の認知機能は、視力、聴力、発話、歩行、器用さ、感情、認知、痛みの8項目からなる検査法が用いられた。

データ解析の結果、全般的に普通体重または過体重(BMIが30未満。日本では肥満1度に相当)で、1日に10個以上の野菜とフルーツを食べている者は、それ以下しか食べない者に比べて、認知機能が高い傾向にあることが明らかになった。肥満者(BMIが30以上。日本では肥満2度以上に相当)にはそのような関連はみられなかった。

若年群(30-59歳)と高齢群(60歳以上)を分けて分析すると、若年群だけなら体重や運動量に関係なく、1日10個以上の野菜とフルーツを食べている者は、認知機能が高い傾向がみられた。高齢群でも、5個以上を食べている者で、認知機能が高い傾向はみられたものの、BMIや運動量によってかなりの変動がみられたという。

一方、運動習慣は、野菜とフルーツの摂取量と認知機能の関連を強める存在として重要であり、より高い運動習慣を維持している人では、野菜とフルーツの摂取量が多くなるほど認知機能も高まった。肥満で、運動をせず、野菜とフルーツをあまり食べない者の認知機能は低い傾向がみられた。

「健康的なライフスタイル、つまり栄養豊富な食生活、定期的な運動への参加、健康体重の維持といったものは、全て認知機能を高く維持して認知症の予防につながる効果的な方法であるようにみえます」とコーエン博士は語っている。

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本研究は、ある時点における生活習慣と認知機能の関係を調べたものなので、両者の因果関係を決定的に結論付けることはできないが、高い運動習慣は、若年者でも高齢者でもより良い認知機能に関連しており、また毎日の豊富な野菜とフルーツの摂取もより良い認知機能に関連しているようだ、と研究チームは結論づけている。

出典は『公衆衛生雑誌』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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