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2018-04-20

植物性食品中心の食事が2型糖尿病のリスクを下げる

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植物ベースの食事、とりわけ全粒穀物、果物、野菜、ナッツ、豆などの「健康的な」植物性食品が豊富な食事は、2型糖尿病の発症リスクを実質的に下げる働きがあるようだ、という米国ハーバード大学からの研究結果が報告された。

「この研究が明らかにしているのは、ほどほどにであっても健康的な植物ベースの食事に変えていくことが、2型糖尿病の予防に重要な役割を果たすということです」と筆頭研究者のアンビカ・サチジャ博士は語っている。「これらの知見は慢性疾患を予防するための現在の食事ガイドラインを支持するさらなるエビデンスといえるでしょう。」

これまでの研究で、菜食主義の食事が2型糖尿病のリスクを減らすといった健康問題の改善につながることは知られていたが、今回の研究は「健康的な」植物ベースの食事が、健康的に劣る、たとえば糖分の多い食品や飲み物などを含む食事に比べてより好ましいものであることを初めて示した。本研究ではまた、動物性食品を含む場合の影響についても検討されている。

研究チームは、米国で20年以上にわたって継続されている医療専門職の男女20万人以上を対象にした大規模疫学研究から、食事データ、生活習慣、病歴などのデータを用いて解析を行った。食品の植物性・動物性を点数化して、植物性食品は高い得点に、動物性食品は低い得点になるようにし、各々の食事を評価していった。

その結果、植物ベースの食事度が高い(植物性食品が多く、動物性食品が少ない)人は、低い人に比べて、2型糖尿病の発症リスクが20%低下することが明らかになったという。ただし、ひとくちに植物ベースの食事といっても、上記のような「健康的な」植物性食品を多く食べる人の糖尿病リスクは34%低下したが、それほど健康的とは言えない植物性食品(精製穀物、ジャガイモ、加糖飲料)を多く食べる人では逆にリスクが16%増加してしまった。

  研究ではまた、動物性食品の摂取が多少減る(たとえば1日5-6品目から4品目に)だけでも、糖尿病の発症リスクが低下することが明らかになった。

「野菜や果物、全粒穀物、豆、ナッツ、種子などの、より健康的な植物ベースの食事へシフトして、動物性食品(特に牛豚肉などの赤肉とハム、ソーセージなどの加工肉)を減らすことは、2型糖尿病のリスクを減らすという実質的な健康効果があるようです」と主任研究者のフー教授は語っている。

研究チームは、健康的な植物ベースの食事が2型糖尿病のリスクを低下させるのは、食事に食物繊維、抗酸化物質、不飽和脂肪酸、ビタミン・ミネラルが豊富に含まれており、飽和脂肪酸が少なめであるからだろうと考察している。健康的な植物性食品は、腸内細菌を健康的にするのにも役立つのだろう、とも述べている。

本研究の限界として、食事などのデータが自己申告であるための測定誤差が考えられるが、研究チームによれば、本研究は4年ごとに何度も繰り返して調査をしていることから、その種の誤差はかなり少ないはずであるという。ただし、本研究の対象者は健康意識の高い医療専門職の人々(医師や看護師)であるため、別の集団での再現性をとる必要はあるだろうとのことである。

出典は『プロス医学』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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