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2014-08-28

ビタミンDが不足した高齢者は認知症になり易い?

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ビタミンDがひどく欠乏している高齢者は、アルツハイマー病などの認知症になるリスクが非欠乏者の2倍以上ある、という英国エクセター大学の研究結果が『神経学』誌に発表された。

研究チームは、心臓血管健康研究という疫学研究の一環として調査を行った。歩行に困難がなく認知症の兆候もない65歳以上の高齢米国人1,658名を対象に、ビタミンDの血中濃度を測定したのち、アルツハイマー病などの認知症の発症状況を平均6年にわたって追跡調査した。

データ解析の結果、軽度のビタミンD欠乏でも53%、重度の欠乏の場合は125%も認知症のリスクが高まることが明らかになった。アルツハイマー病に限っても、軽度のビタミンD欠乏で69%、重度のビタミンD欠乏では122%のリスクの上昇が観察された。

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「私たちはビタミンD欠乏症と認知症の関係を見つけたいと考えて調査を行ったわけですが、リスクが2倍になるほど強い関係が見つかったことに大変驚いています」と主任研究者のレウェリン博士は語っている。「注意しなければいけないのは、今回の研究結果でビタミンD不足が認知症の原因であることが実証されたわけではない、ということです。とはいえ、非常に有望な結果であって、これからの高齢化社会で認知症にかかる莫大な医療費のことを考えれば、公衆衛生的な意義は重大であると考えます。」

1409188274 認知症は高齢化社会における最大の医療問題のひとつであって、世界中で4,400万人の患者がおり、2050年にはその3倍に増加するといわれている。一方で、ビタミンDが足りず、その結果健康状態が良くない高齢者も極めて多く存在すると考えられている。

本研究は、ビタミンD欠乏と認知症リスクについて、画像診断などの広範囲の診断技術を用いて多分野の専門家が共同で検討した初めての大規模研究である。これまでの研究でも、ビタミンDが足りないと認知障害が起きやすいことは知られていたが、本研究では、ビタミンD欠乏で認知症のリスクが明確に高まることを確認したという。

ビタミンDは、日光を浴びると体内でも合成される。また脂ののった魚などの食事やサプリメントとして摂取することも可能である。高齢者の皮膚は日光によるビタミンDの合成効率が落ちているため、冬場はビタミンD欠乏になり易い。日照時間の短い高緯度地方では特に注意が必要である。

本研究に関連してアルツハイマー病協会・研究開発部門長のダグ・ブラウン博士は次のように語っている。

「暑い夏の日に、海岸で15分間の日光浴をすればビタミンDは十分に合成されますが、日光浴やサプリメントで認知症のリスクが低下すると断定するのは時期尚早です。大規模臨床試験によって、ビタミンDが欠乏している患者の血中濃度を上昇させ、その結果認知症が予防されることを確認する必要があります。」

出典は『神経学』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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