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2018-02-27

ビタミンDサプリが動脈硬化をすみやかに低下させる

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ビタミンDの高用量サプリメントが、肥満でビタミンD欠乏だがそれ以外は健康な若いアフリカ系米国人の動脈硬化を速やかに低下させることができるようだ、という米国ジョージア・オーガスタ大学からの研究結果が発表された。

硬化した動脈壁は、心血管疾患の発症および死亡の独立したリスク因子であり、ビタミンD欠乏もそれに関連している、と主任研究者のヤンビン・ドング博士は語っている。

肥満のアフリカ系米国人は、褐色の肌のためにビタミンD欠乏になり易い。ビタミンDは日光を浴びると皮下で生成するが、肌の色が日光の吸収を妨げるのである。

研究チームは、動脈の硬化が認められた13-45歳の若いアフリカ系米国人70名に、高用量のビタミンDサプリメントを16週間にわたって摂取させ、その効果を検証した。

この種のものとしては初めての、このランダム化プラセボ対照臨床試験によって、研究チームは、ビタミンDサプリが動脈硬化を、用量依存的に改善したことを発見した。

米国では、1日のビタミンDの必要量は成人も子供も600IU(国際単位)と規定されている(日本では成人220IU)。今回の試験では、4,000IUという6倍もの高用量が使用されたが、筆頭研究者のアナス・ラエド博士によれば、それが最も効果的であったという。

「これは安全に用い得る最大用量と考えられますが、きわめて速やかにわずか4カ月で10.4%も動脈硬化を低下させたのです」とラエド博士は述べている。

試験では、2,000IUを摂取した者もいたが、その場合には動脈硬化の低下は2%程度であったという。600IUを摂取した者では、逆に動脈硬化が0.1%高まった。とはいえ、対照群では動脈硬化は2.3%上昇したので、充分動脈硬化の進行を抑えたといえるだろう。

研究チームは、動脈硬化の程度を標準的な方法である脈波伝播速度によって測定した。ドング博士によれば、将来的には、健診で血圧と共に脈波伝播速度の検査が日常的になる日が来るだろうと述べている。

研究チームは、2015年に発表した別の研究で、この集団ではビタミンDの血中濃度をより適正にするために、2,000または4,000IUのサプリメントが必要であることを示している。報告によれば、4,000IUは、8週間で安全に適正濃度に回復させるぎりぎりの上限量である。それはまたビタミンDのカルシウム吸収促進作用に抵抗する副甲状腺ホルモンの抑制にも役立つ。

ビタミンDが動脈に良い理由は完全には分かっていないが、多くの異なる代謝経路が関係しているようだ。動物実験の結果から、ビタミンD受容体を持たないマウスでは、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の活性が高まることが明らかになっている。活性が高まると血管の狭窄が起こり易くなり、動脈硬化のリスクが高まるのである。

ビタミンDはまた、血管平滑筋の増殖促進、老廃物を食べるマクロファージの活性化、血管石灰化の抑制によって、動脈硬化を抑える方向に作用する。さらに、ビタミンDは、肥満に関連した冠動脈疾患の根底に横たわる炎症反応も抑える働きがある。

「ビタミンDが足りない人には、日光を充分に浴びることや、ビタミンDの豊富な食品を食べることが推奨されますが、サプリメントもほとんどの人にとっては、安価で安全な方法のひとつといえるでしょう」と研究チームはコメントしている。

出典は『プロスワン』

監修・執筆 和気奈津彦(わけ なつひこ、薬学博士)
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